10年ぶりに実家に帰ってきてから3ヶ月が経つ。一人暮らしを6年、夫と二人暮らしを4年経て、自分の食生活と洗濯物の畳み方はもちろん、タオルを洗う頻度やビニール袋のまとめ方すらもすっかり変わってしまったことを実感する。

 

都会は便利だ。徒歩圏内にコンビニがありスマホから大抵の食事をデリバリーできる。今の私は親兄弟に頼まないとマクドナルドすら自由に食べに行けない。プリングルスサワークリームオニオンが食べたくなっても、母親に「そんなの食べたら体に毒だよ」と一言頂戴した上で健全な時間にセブンイレブンへ車を走らせていただく必要がある。

 

気に食わないことはたくさんある。「安いから」と買って満足した食材が冷蔵庫を圧迫していること、着なくなった服を捨てずにおくあまり8畳客間が全てウォークインクローゼットになっていること。1週間分床に積まれたままの新聞紙だって憎たらしい。

客間だけじゃない。私の部屋もいつの間にか物置になり、段ボールと放り投げられたプラスチック製の何かが雑に積み上げられている。テトリスだったらすぐ終わる。ホコリもすごいし自分の部屋が雑に扱われ潰されたことがひどく悲しい。

 

もう口癖なのだろう両親は毎日朝も夜もお互いの文句を言い続ける。

買い物の内容、ゴミの捨て方、廊下に置かれた荷物、お皿の洗い方、夕食の食べ方。

あまりにも毎日同じことに文句を言ってい流ものだから、聞いていて辛くなる時がある。どうしてそんなに文句ばかりの相手と結婚したのか不思議に感じる時もある。お互い歩み寄るのを諦めて、文句を言い合い聞き流し合うのは辛くないのか。許せると思えたから結婚したのではないのか。私にはわからない。