夫と3ヶ月ぶりに会った。緊急事態宣言が明けてから私の帰省先に来てくれた。どれだけこの日を待ちわびていただろう、毎日カレンダーを眺めては指折り数え弱音と不安と心細さを飲み込んできた。迎えに行った駅で改札越しに見えた瞬間、心臓が跳ねた。

彼は春に頑張っていた筋トレプログラムを終えてから運動をそんなにしていないようだった。コロナデルタの外出自粛制限もあったし、外に出て動ける気候でもなかったし、リングフィットアドベンチャーもナイキプログラムも起動していないのだろう、最後に見た姿よりもなんだかだいぶ大きくなったように感じられた。

私も私で妊娠週数が進み、お腹が非常に目立つようになった。300g〜400gしかなかった双子は共に2000gを記録している。みんな大きくなった。

でもそんなのどうでもいい。とにかく嬉しかった。失敗した前髪もワクチンの副反応もどうでもよかった。郵便物を色々受け渡して、ご飯を食べて、産院を確認して、ドトールでコーヒーを飲んだ。

特別なイベントもお買い物もなかったし部屋も片付けきれなかったけれど会えただけでいいのだ。夫といる2日間、ベビーズは二人ともよくしゃっくりをしていた。足でお腹を蹴っていた。そういうのに触れられる時間を過ごせたことがたまらなく幸せだった。写真を1枚だけ撮れたこともよかった。初めての家族写真だ。こんな穏やかな時間、後にも先にもない。暮らしの全てを抱きしめていられるこの瞬間がたまらなく愛おしく感じて涙が出る。

日曜日の夕方、とうとう私にも体力の限界がきて少しだけ昼寝をした。一戸建てが欲しいとか最近はビットコインが爆上がりしているとか最新のダイソン加湿空気清浄機がすごいとか、他愛もない雑談をしているうちにうとうとして、彼の横で眠ってしまった。寝落ちする瞬間に見えた腕時計で10分後に起きようと心に決めたはずなのに、次に目を開けた時には40分も経っていた。

あんなにぐっすり昼寝をできたのはいつぶりだったんだろう。この3ヶ月間ですっかり蓄えられた彼の二の腕とお腹がふわふわとしてとても気持ちよかった。

目が覚めてから、きっと赤ちゃんも母親のおっぱいと勘違いして、あなたの腕の中でたくさん眠るだろうねと笑いあった。